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サウナは健康に有用?知ってほしいサウナのメリット・デメリット

更新日:11月16日

Chapter1_サウナ浴にはどのような健康効果があるの?

Chapter2サウナ浴で注意しなければならないこと

Chapter3_結局どうすれば健康に活かせるのか

あとがき_ドクターからの健康促進アドバイス



サウナに入る女性


Chapter1_サウナ浴にはどのような健康効果があるのか?


最近は日本国内でサウナ浴施設も増えてきており、趣味でサウナ浴を楽しむ方も増えているのではないでしょうか。サウナ浴で心身のリフレッシュやストレスの解消など様々な効果を実感されている方も多いかと思います。私自身もサウナが大好きで週に1回は通い続けており、忙しい中でもリフレッシュを図っています。一方でサウナでの事故など様々なニュースも聞かれており、果たして健康にいいものなのか疑問に感じている方もいらっしゃるかと思います。今回はサウナの健康効果に関して、お話しさせていただければと思います。




サウナの健康効果


①血行促進と代謝向上

サウナの高温により血管が拡張し、心臓も強く動くようになることで全身の血流が促進されます。これにより血液循環が改善され、体内の老廃物や毒素の排出が促進されます。


②免疫力の向上

サウナに入ることで一時的に体温が上昇し、体内の免疫システムが活性化されると考えられています。これにより免疫力の向上や疾病への抵抗力が増すとされています。


③疲労回復と筋肉のリカバリー

サウナに入ることで疲労回復や筋肉のリカバリーが促進されると言われています。高温下で体内ではヒートショックプロテイン(HSP)というものが作られます。HSPは細胞の修復に役立つことが報告されています。


④肌質の改善

サウナに入ることで皮膚の毛穴が開き、汗をかくことで余分な皮脂や老廃物が排出されやすくなります。普段お風呂やシャワーで洗顔をした時には皮膚の表面の汚れしか取れないのに対し、サウナで皮膚の毛穴の奥から汚れや老廃物を取り除くことができます。また、先ほどお話ししたHSPも肌のリカバリーに重要な役割を担っていると考えられます。

 



サウナで整うとは?


日本のサウナ浴では一般的に高温のサウナと水風呂を交代に入浴する交代浴が行われています。熱いサウナに10分程度入った後冷たい水風呂に1-2分ほど浸かり、その後外気浴をするという流れを1セットとして、3-4セット程繰り返します。するといわゆる『整う』と言われるような、頭がスッキリして何とも言えない多幸感のようなものを感じる方もいるかもしれません。

サウナの高温下に長くいることで、エンドルフィンという幸福感を感じさせるホルモンが放出されやすくなります。エンドルフィンは幸福感やリラックス感をもたらし、サウナにいる間に感じる多幸感の一因となります。他にも高温環境にいることで筋肉が緩みリラックスしていることも影響していると考えられます。また、サウナの中で一種の瞑想状態に近い状態になることがあります。この状態では外部からの刺激が減少し集中力が高まることが報告されています。この集中力向上が、心地よい感覚を引き起こす一因になっているのかもしれません。



サウナで整う男性


Chapter2_サウナ浴で注意しなければならないこと


前項でサウナのメリットを書かせていただきました。サウナにはメリットは多くあるものの気を付けなければならないポイントも多数あります。


①脱水と電解質のバランス

高温の環境での滞在は過度な発汗を引き起こし、脱水のリスクがあります。脱水によって電解質のバランスが崩れる可能性があります。サウナ浴前後の適度な水分・塩分摂取が重要です。


②心臓への負担

サウナに入ることで心拍数が上昇します。心臓疾患や高血圧のある方は、医師の指示に従い、利用を控えたり、時間を制限することが必要です。


③低血圧の悪化

サウナは血圧を下げる効果があります。低血圧の方は、サウナ利用によってさらなる低血圧の症状が悪化する可能性があります。


④急激な温度変化への適応

サウナから急激に冷水風呂に入ることで体温調節機能が働きます。急激な温度変化に体が適応できない場合、失神やめまいが生じることがあります。


⑤妊婦や高齢者・基礎疾患をお持ちの方の制限

妊婦や高齢者は、体温調節や心臓への負担が特に気になります。サウナの利用前に医師に相談することが必要です。高血圧症や心臓病のほか、糖尿病や腎臓病など基礎疾患をお持ちの方でも血管が硬くなったり弱くなったりしている(動脈硬化)の可能性があります。その場合サウナ浴により思わぬ事態になってしまう可能性があります。


⑥感染症罹患の可能性

サウナ内は密室であり多くの方が出入りします。その中で今流行している新型コロナウイルス感染症などの上気道感染症に罹患する可能性もゼロではありません。少なくともサウナ内でのおしゃべりは危険が伴います。また、多くの方が座られる場所やマット、脱衣所でトコジラミや白癬菌(水虫菌)などに感染する可能性もあります。


⑦水風呂による突然死の可能性

高温のサウナから非常に低温の水風呂に入った際に、全身の血管は拡張していたところから一気に縮小します。結果心臓により多くの血液が流入し心臓に負荷をかけます。冷水刺激は交感神経(興奮する自律神経)を一気に活性化させます。結果心臓に致死性の不整脈が出現する可能性や心血管事故(脳卒中や心筋梗塞)のリスクを上げてしまいます。



水風呂に入る男性


Chapter3_結局どうすれば健康に活かせるのか


いかがでしたでしょうか。サウナ浴のメリット・デメリットともにお話しさせていただきました。サウナ浴は健康によさをする可能性がある一方で、気を付けなければならない注意点も多く存在します。健康な方がより健康になるために役立つことは確かかもしれませんが、一方でお体の弱い方や基礎疾患をお持ちの方では重篤な事故につながってしまう可能性もあります。サウナ浴に関して心配なようでしたら、まずは自身の体のことをいつも相談できるかかりつけ医に相談してみてもよいかもしれません。




あとがき_ドクターからの健康促進アドバイス


僕自身サウナ浴は大好きです。医師になってつらい研修時期を過ごしていた時にサウナと出会い、のめりこんでしまいました。サウナと水風呂の交代浴を繰り返した後に外気浴をしていると、温かい氷が体を這うような、冷たい炎が胸に宿るような不思議な感覚の中を彷徨います。そして、大変だったり嫌なことがあった後にも、穏やかにポジティブな気持ちで乗り越えられるマインドを手に入れることができました。サウナを通して得たポジティブマインドで多くのことを乗り越えてきたと感じています。


最後に僕のサウナスタイルをお伝えします。


①入浴前 

食後2時間以上たってからサウナに行く。入浴前に水分を充分補充する。サウナに入る前に軽くかけ湯をして神と体を濡らしてから拭き取る。


②サウナ内

感染対策として喋らない。座面にはシートを置く。


③水風呂

掛け水を頭から行う。水風呂に口や顔はつけない。首までつかる。


④外気浴

なるべく人込みを避けて動悸が収まるまでゆっくり休む。




浅川貴介医師お勧めのサウナ


①マルシンスパ(東京都渋谷区)

ロウリュともたれ掛かれるサウナのスペースが最高です。


②百観音温泉(埼玉県久喜市)

水風呂からの高温の立湯が素晴らしいです。おみくじが引けます。


③湯けむりの庄(神奈川県港北区)

サウナ→水風呂の後の炭酸琥珀湯(黒湯温泉)が最高です。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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