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便が黒くなる タール便について

更新日:6月11日

タール便とは、便が黒っぽく、粘り気があり、焦げたような匂いがする状態を指します。このような便の色や特徴は、消化管出血や特定の状態によって引き起こされることがあります。今回のブログでは、タール便について詳しく見ていきましょう。



タール便に悩む男性


タール便の原因


タール便の主な原因は、消化管からの出血です。消化管内での出血が、胃酸や消化酵素と混ざることで便が黒くなり、タール便となります。消化管からの出血が起こる主な原因は以下の通りです。


消化管潰瘍

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化管潰瘍が出血を引き起こすことがあります。


食道静脈瘤

食道の静脈が拡張して静脈瘤が形成されると、出血しやすくなります。


消化管がん

消化管内の腫瘍やがんが出血することがあります。


炎症性腸疾患

クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は、消化管内の炎症や潰瘍が出血の原因となる場合があります。


血友病などの血液凝固異常

血液凝固異常がある場合、消化管出血が生じるリスクが高まります。



ただし、病気以外にも便に黒く色がつくことはあります。


鉄剤やビタミン剤の摂取

鉄剤や特定のビタミン剤を摂取すると、便が黒くなることがあります。これは通常、消化管からの出血とは関係ありませんが、医師に相談することが重要です。


食品や飲料

ビーツや人参、根菜類などの色素が便に影響を与え、黒く見えることがあります。また、特定の飲料や食品(例:アサイーボウルや黒いスムージー)を摂取することで、便の色が変わることがあります。


薬品

特定の薬品や添加物(例:ビスマス製剤や活性炭)の使用は、便の色を黒くすることがあります。




タール便の症状


タール便の主な症状は、便が黒っぽく、粘り気があり、焦げたような匂いがすることです。他の症状には、腹痛、吐血、貧血、便秘や下痢などの消化器症状が伴う場合があります。これらの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることが重要です。




タール便の治療と予防


タール便の治療は、その原因によって異なります。消化管からの出血が疑われる場合は、出血源の特定や出血の止血が行われる場合があります。また、タール便を引き起こす薬物の摂取を停止したり、消化器系の疾患を治療したりすることも必要です。予防策としては、健康な生活習慣の維持や定期的な健康診断が重要です。



タール便


ワンポイントアドバイス

赤い便と黒い便どっちが怖い?


結論から言いますと両方とも怖いです。

黒い便(下血)は前述のとおり、消化管の上のほう(胃や十二指腸)からの出血に胃酸が混ざって血液が酸化されることで起こります。胃や十二指腸の出血は急激に進むことが多く、出血多量の場合には数時間で命に影響することがあります。なるべく早いタイミングでの胃カメラでの止血が必要なことが多いです。

一方、赤い便(血便)は便の表面に比較的新しい出血が付着している状態であり、大腸や肛門など消化管の下のほうからの出血を反映します。一部の食中毒や痔のほか大腸がんなどの悪性疾患でも見られます。赤い便を認めた際には早めの大腸カメラや肛門鏡大切です。




まとめ


タール便は、消化管出血や消化器系の疾患によって引き起こされる可能性があります。その原因を正確に特定し、適切な治療や管理が行われることが重要です。タール便や関連する症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門家の指示に従って適切な対処を行いましょう。


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