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性感染症のピンポン感染とは?パートナーへの伝え方

更新日:11月16日

性感染症の治療を終えても、再び感染してしまう「ピンポン感染」が起こることがあります。パートナー同士で感染を繰り返し、お互いに感染症を卓球の「ピンポン」のように行き来してしまう状況を指します。ピンポン感染が起こると、治療が長引いたり、症状が悪化するリスクがあるため、適切な対策が必要です。ご自身の治療と同様にパートナーへの伝え方も重要です。適切に伝えることで、感染拡大を防ぎ、パートナーとの信頼関係を築くことができます。今回の浅川クリニックのブログは、ピンポン感染の原因や防止策について、パートナーへ伝える際のポイントやアプローチ方法についてお話しします。



性感染症の検査をする女性


ピンポン感染が起こる原因


ペアでの治療の不足

性感染症は、パートナー双方が感染していることが多く、片方だけが治療を受けても、もう片方が感染したままの状態では、再度感染するリスクが高まります。特に、クラミジア、淋病、トリコモナスなどの性感染症は、パートナー治療が推奨されています。


治療期間中の性的接触

治療が完了する前に性的接触を行うと、感染が再び広がることがあります。治療が完全に終了するまで、医師の指導のもとで慎重に行動することが大切です。


複数のパートナーとの接触

性感染症は一度治療を受けても、他のパートナーから再感染する可能性があります。感染の予防には、パートナーの状況や安全な性行為の実践が必要です。




ピンポン感染がもたらすリスク


症状の悪化

繰り返し感染することで、症状が悪化したり、治療が効きにくくなることがあります。例えば、女性の場合、繰り返しの感染が骨盤内炎症(PID)を引き起こし、将来の妊娠に影響を与えるリスクがあります。


治療期間の長期化

ピンポン感染によって治療を繰り返すと、症状が長引き、完治までの期間が延びるため、体力やメンタルにも負担がかかることがあります。




ピンポン感染を防ぐための対策


ペアでの治療

性感染症の治療は、パートナーと一緒に受けることが最も効果的です。パートナーが感染しているかどうか不明な場合でも、念のため検査を受けてもらい、同時に治療を開始することが推奨されます。


治療完了までの性的接触を控える

医師の指導のもと、治療が完全に終わるまでの間は性的接触を避けるようにしましょう。性感染症によっては、治療終了後も一定期間の慎重な管理が必要な場合があります。


定期的な検査

性感染症の治療後も、一定期間ごとに定期的な検査を受けることで、感染の有無を確認することができます。また、定期検査によって早期発見が可能になり、早期治療が進められます。


正しい避妊具の使用

避妊具の使用(特にコンドーム)は、性感染症の予防に効果があります。コンドームは、性行為中の感染リスクを大幅に減少させることができるため、適切に使用するよう心がけましょう。


他のパートナーとの接触を避ける

複数のパートナーと接触がある場合、感染リスクが高まるため、安全な性行為の実施や、必要に応じた検査を受けることが重要です。



ピンポン感染 パートナー


パートナーへの伝え方


事前に知識を深めておく

まずは自分自身が感染症について理解を深めましょう。感染経路や治療方法、再感染や予防法についての正しい知識があることで、パートナーに安心感を与えやすくなります。また、感染症によっては生活の一部を見直すことで予防ができたりするため、前向きな話ができるようにしておくと良いでしょう。


伝えるタイミングを選ぶ

感染症の話題はデリケートなため、場所やタイミングは慎重に選びましょう。落ち着いて話せるプライベートな環境で、相手がリラックスできる時間を選ぶことが大切です。大切なのは、相手がきちんと話を受け止め、理解できる状況を整えることです。他人に話しを聞かれることのない環境で、落ち着いて話せる場所・時間を選ぶことが大切です。


自分の言葉で誠実に伝える

伝え方としては、シンプルで誠実な表現が良いです。まずは「自分が性感染症に感染していることが分かった」と率直に話すことから始めます。そして、「あなたにも検査を受けてほしい」という気持ちを伝えることで、相手の健康を気遣う姿勢が示されます。責任感をもって誠実に伝えることで、相手も若干は受け入れやすくなります。


誤解や偏見に対するサポートをする

性感染症に関しては、誤解や偏見が根強く残っています。パートナーがショックを受けたり、偏見を抱く場合もありますが、冷静にサポートすることが重要です。感染症の事実や治療について、対処法を共有することで、パートナーも安心しやすくなります。


検査と治療を一緒に受ける提案

性感染症には自覚症状がないものも多く、早期発見と治療が重要です。パートナーにも検査を勧める際は、「一緒に検査を受けよう」と提案すると、相手も前向きに受け入れやすくなります。また、性感染症の治療は多くの場合、ペア治療が推奨されているため、治療の進行状況や再感染予防についても、医師に相談することをおすすめします。結婚を意識している場合、ブライダルチェック(自費診療)の一環として性感染症の検査を行うこともできます。


相手の反応に理解を示す

ほとんどの場合、パートナーが性感染症についての話を聞くと動揺します。ショックや怒り、不安が見られた場合も、冷静に受け止めて相手の気持ちに寄り添うことが大切です。相手の感情を理解し、お互いの健康と信頼を取り戻すために真摯に向き合いましょう。




まとめ


性感染症のピンポン感染は、適切な対策をとることで防ぐことが可能です。パートナーとの治療や検査の共有、避妊具の適切な使用、治療完了までの慎重な行動が、再感染を防ぎ、健康を守る鍵となります。感染症を一度治療したからといって油断せず、定期的な検査を受けることも予防の一環として効果的です。性感染症についてパートナーに伝えることは勇気のいることですが、誠実に向き合い、正しい知識を共有することで、信頼関係を維持しつつ健康を守ることができます。お互いの健康を守るために、性感染症への知識と意識を高め、安心して生活を送れるようにしましょう。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8




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