耳たぶのしわの意味とは?見過ごされがちな健康のシグナル
- 貴介 浅川
- 1 日前
- 読了時間: 4分
耳たぶに現れるしわが、単なる加齢のサインではないことをご存じでしょうか?過去の研究により、耳たぶのしわが心血管疾患のリスクと関連している可能性が示唆されています。今回の浅川クリニックのブログでは、耳たぶのしわと健康との関連について詳しく解説し、日常的に気を付けるべき点をお伝えします。

耳たぶのしわとは?
耳たぶのしわ(またはフランクサイン)は、耳たぶの縦方向に現れる深いしわのことを指します。一般的には加齢とともに現れることが多いですが、これが心血管健康の指標となる可能性があるといわれています。耳たぶは脂肪組織が多いため、毛細血管も多く走行しています。動脈硬化が進行して毛細血管の血行が悪くなると、脂肪組織が委縮して耳たぶの表面に深いしわが生じると言われています。
健康への影響
心血管疾患との関連
研究によると、耳たぶのしわは冠動脈疾患や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクと関連があることが示されています。耳たぶのしわがある人は、そうでない人に比べて、心血管疾患を発症する可能性が高いと報告されています。アメリカシカゴ大学での8年間の研究では、耳たぶにしわがある人は、しわがない人に比べて約3倍心臓疾患で亡くなりやすいことが判明しています。
診断の手がかり
耳たぶのしわは、特に若年層で見られる場合、早期の心血管疾患の警告信号となる場合があります。心血管系の評価が推奨されることもありますので、しわが見られる場合は医療機関での健康状態の評価や、健康診断をお勧めします。
日常での注意点
定期的な健康診断
定期的な健康診断を受け、血圧やコレステロールレベルなど、心血管疾患のリスク因子についてチェックしてください。高血圧・脂質異常症・糖尿病などをお持ちの方は特に注意が必要です。
バランスの良い食生活
心血管健康を保つためには、バランスの取れた食生活が重要です。特に、野菜や果物を多く含む地中海式または日本式の食事が推奨されます。
定期的な運動
週に数回、30分程度の適度な有酸素運動を心がけることで、心血管系の健康をサポートできます。
ストレス管理
過度のストレスは心血管系に悪影響を及ぼすため、適切なストレス管理を行うことが大切です。特に睡眠時間をしっかりと確保することを意識してください。

動脈硬化の検査を受けたほうがいい方は?
近年、頸動脈超音波検査などの画像検査のほかにも、血管の固さや狭さを調べる生理検査(ABI/CAVI)や、血管の内側の柔らかさの検査(FMD)など様々な動脈硬化の検査があります。以下に当てはまる方は人間ドックや普段の診察の中で検査を考慮してもらってもよいかもしれません。
自力歩行可能な高齢者
年齢が上がるにつれて動脈硬化のリスクは高まります。特に50歳以上の人は定期的な検査を受けることが推奨されます。
高血圧・糖尿病・高コレステロールまたは脂質異常症のある人
高血圧は動脈壁に負担をかけ、動脈硬化を進行させる主要なリスクファクターです。LDL(悪玉コレステロール)が高い、またはHDL(善玉コレステロール)が低い人は動脈硬化が進みやすいとされています。糖尿病は動脈内の糖化反応を促進し、動脈硬化を進行させるリスクがあります。
喫煙者
喫煙は動脈壁を損傷し、動脈硬化を促進することが知られています。
肥満または運動不足の人
肥満や運動不足は全身の代謝に影響を与え、動脈硬化のリスクを高めます。
家族歴
ご家族で心血管疾患や動脈硬化の診断を受けた人がいる場合、遺伝的要因が関与している可能性があります。
ストレスが多い生活を送っている人
長期的なストレスは、ホルモンバランスを乱し、動脈硬化を促進する可能性があります。
まとめ
耳たぶのしわが見られる場合、それが必ずしも重大な健康問題を意味するわけではありませんが、心血管疾患のリスクを再評価する機会と捉えることができます。定期的な健康診断と健康的なライフスタイルの維持により、リスクを管理し、健康的な生活を送るための一歩を踏み出しましょう。
浅川クリニック 内科・世田谷
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