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肌のバリアを守るために 皮脂欠乏症の原因と対処法

更新日:11月16日

皮脂欠乏症とは、皮膚の表面にある皮脂の量が不足している状態を指します。皮脂は皮膚の健康を維持するために重要な役割を果たしており、皮脂欠乏症が生じると皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな皮膚トラブルが引き起こされる可能性があります。今回のブログでは、皮脂欠乏症について詳しく見ていきましょう。



皮脂欠乏症の女性


皮脂欠乏症の原因


皮脂欠乏症の主な原因は、皮脂腺の機能低下や皮脂の産生量の減少です。これには、加齢、遺伝的要因、ストレス、乾燥した環境、過剰な洗浄などが関与することがあります。また、一部の皮膚疾患や医薬品の副作用も皮脂欠乏症を引き起こす可能性があります。


加齢

年齢とともに皮脂腺の活性が低下し、皮脂の分泌量が減少します。特に、40歳以降にこの傾向がより顕著になります。


遺伝的要因

皮脂欠乏症は、遺伝的な要因によっても引き起こされることがあります。家族歴に皮脂欠乏症がある場合、自身も発症するリスクが高まります。


環境要因

乾燥した環境や低湿度の気候条件は、皮脂欠乏症を引き起こす可能性があります。また、寒冷な気候や乾燥した季節においても、皮脂の蒸発が促進され、皮脂欠乏症の症状が悪化することがあります。


ストレス

長期間のストレスや精神的な負担は、ホルモンバランスを乱し、皮脂腺の活性を低下させる可能性があります。


過剰な洗浄

過度な洗浄や強力な洗浄剤の使用は、皮脂を除去しすぎて皮脂腺の機能を阻害することがあります。


皮膚疾患や医薬品の副作用

特定の皮膚疾患や医薬品の使用によっても皮脂欠乏症が引き起こされることがあります。




皮脂欠乏症の症状


皮膚の乾燥

皮脂が不足しているため、皮膚が乾燥していることがあります。特に寒い季節や乾燥した環境下で顕著に現れることがあります。


かゆみや炎症

皮脂の不足により、皮膚の保護機能が低下し、かゆみや炎症が生じることがあります。


粗い皮膚

皮脂が不足すると、皮膚表面が粗くなり、荒れたような感触が生じることがあります。


皮膚の脱水感

皮脂が皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぐ役割を果たしているため、皮脂欠乏症では皮膚が乾燥し、脱水感が生じることがあります。


皮膚の引き締まり感

皮脂の不足により、皮膚の弾力性が低下し、引き締まり感が生じることがあります。


肌荒れや湿疹

皮脂の欠乏により、皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になり、肌荒れや湿疹が生じることがあります。




皮脂欠乏症の管理と予防法


適切なスキンケア

洗顔や入浴時に、肌を過度に刺激しないように注意しましょう。強力な洗浄剤やアルコール入りの製品を避け、肌にやさしい洗顔料や保湿剤を選びましょう。


適切な保湿

皮脂が不足しているため、外部からの水分蒸発を防ぐためにも、肌に適切な保湿剤を使用しましょう。保湿剤は、水分を肌に閉じ込める効果があり、肌をしっとりと保ちます。


バリア機能の強化

皮脂欠乏症によって肌のバリア機能が低下しているため、バリア機能を強化する製品を使用することが有効です。セラミドやコレステロールなどの成分が含まれたスキンケア製品が、バリア機能の修復や強化に役立ちます。


適切な食事と水分摂取

ビタミンやミネラルを含むバランスの取れた食事や、十分な水分摂取も皮膚の健康をサポートします。特にビタミンAやビタミンE、オメガ3脂肪酸は、皮膚の健康維持に重要な栄養素です。


過剰な日焼けを避ける

日焼けや紫外線は、皮膚のバリア機能を低下させる可能性があるため、過剰な日焼けを避けることが重要です。日焼け止めや帽子、長袖の服などを利用して、肌を保護しましょう。


ストレス管理

長期間のストレスや精神的な負担は、ホルモンバランスを乱し、皮脂欠乏症を悪化させる可能性があります。ストレス管理技術やリラックス方法を取り入れて、ストレスを軽減しましょう。


適度な加湿

エアコンや暖房による感想を避けるために適切な湿度を維持することが大切です。



皮脂欠乏症に使う保湿剤


ワンポイントアドバイス

どの保湿剤が一番いいの?保湿剤の種類


多くの保湿剤や化粧品が発売されており、どの保湿剤が適切なのかに悩むことも多いかと思います。

一般処方薬として使用されている保湿剤としては大きく分けると、①プロペト(油性クリーム)②ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)③尿素 の3種類があります。


①プロペトは石油から精製された物質で、市販されているニベアに近いものになります。

ニベアから不純物を取り除いたものが、ボクサーの止血にも使われるワセリンになります。

ワセリンからさらに不純物を取り除いたものがプロペトです。

皮膚の表面に油膜を作って覆うことで体内からの水分蒸発を防ぎます。

皮膚への刺激感がなく皮膚の保護に使えますが、べたつきが起きやすいのが難点です。


②ヘパリン類似物質は多くの医療機関で皮脂欠乏症の治療薬として使われています。皮膚の水分子と結合して保湿効果を高めます。保湿効果が高く塗りやすいのが特徴です。ローションタイプや泡スプレーなど多くの剤形があります。

血行促進作用があるため赤ら顔が気になる方は顔への使用で悪化の可能性があります。


③尿素は天然の成分で保湿効果が高くべたつきも少ないのが特徴です。皮膚を柔らかくする作用(角質柔軟化作用)もあります。ただし炎症部位に塗ると刺激感が強く皮膚の弱い方には向きません。




まとめ


皮脂欠乏症を防ぐには、適切なスキンケアや生活習慣の改善が重要です。また、症状が重度である場合は、医師に相談することをお勧めします。

乾燥や皮脂欠乏症についてお困りの際にはいつでもご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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