脂漏性皮膚炎 頭皮から体まで、不快な症状の原因と効果的な治療法
更新日:11月16日
脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の過剰な油分分泌によって引き起こされる一般的な皮膚疾患です。この疾患は、炎症や赤み、かゆみなどの症状を引き起こし、しばしば頭皮や顔、胸部、背中などの油脂分泌の多い部位に影響します。今回のブログでは、脂漏性皮膚炎について詳しく説明します。
脂漏性皮膚炎の原因
皮脂腺の過剰な活動
脂漏性皮膚炎の主要な原因は、皮脂腺の過剰な活動です。皮脂腺が過剰に活動すると、過剰な皮脂が毛穴にたまり、そこで常在する菌やカビ(マラセチアや皮膚常在菌)の増殖を促進し、炎症を引き起こします。
ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化は、皮脂腺の活動に影響を与える可能性があります。特に思春期や更年期など、ホルモンレベルが大きく変動する時期に脂漏性皮膚炎が発症することがあります。
遺伝的要因
脂漏性皮膚炎は遺伝的な要因も関与しています。家族歴による影響があり、親や兄弟姉妹が脂漏性皮膚炎を持っている場合、それを継承する可能性が高くなります。
ストレス
ストレスは皮脂腺の活動を増加させることがあり、それによって脂漏性皮膚炎の症状が悪化することがあります。
外部要因
間違った皮膚ケアや過度の洗浄、化粧品やヘアケア製品の使用、摂取物質への過敏反応など、外部の要因も脂漏性皮膚炎を引き起こす可能性があります。
脂漏性皮膚炎の症状
頭皮の脂漏性皮膚炎
頭皮の油っぽさやべたつき感
頭皮の赤みや発赤
かゆみや炎症
皮膚の乾燥やひび割れ
頭皮のフケや白色の皮膚片
顔や体の脂漏性皮膚炎
顔や体の油っぽさやテカリ感
皮膚の赤みや発赤
かゆみや炎症
毛穴の詰まりや粉瘤(皮脂嚢腫)
皮膚の乾燥やひび割れ
脂漏性皮膚炎による脱毛
頭皮の脂漏性皮膚炎が進行すると、脱毛が起こる場合があります。
髪の毛が抜けやすくなり、薄毛や部分的な脱毛が見られることがあります。
その他の症状
症状の悪化によってストレスや不安が増加する場合があります。
重度の場合、症状が顔や体の広範囲に広がることがあり、日常生活に支障をきたすことがあります。
脂漏性皮膚炎の治療
適切な皮膚ケア
軽度の脂漏性皮膚炎の場合、適切な皮膚ケアが効果的です。皮膚を清潔に保ち、皮脂を過剰に取り除かないように注意します。
穏やかな洗顔剤やシャンプーを使用し、皮膚を過度に刺激しないようにします。また、皮膚を清潔に保った後は適切な保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぎます。
抗真菌薬や抗炎症薬の使用
症状の軽減や皮膚の炎症の抑制のために、医師が処方する抗真菌薬や抗炎症薬を使用することがあります。
抗真菌薬はマラセジア菌の増殖を抑制し、皮膚の症状を改善します。抗炎症薬は皮膚の炎症を抑え、かゆみや赤みを軽減します。
光線療法
重度の脂漏性皮膚炎の場合や薬物療法が効果的でない場合、UV照射などの光線療法が選択されることがあります。
光線療法は皮膚の炎症を抑制し、症状の改善を促す効果があります。
薬用シャンプーや洗浄剤の使用
脂漏性皮膚炎の頭皮症状を管理するために、医師が処方する薬用シャンプーや洗浄剤を使用することがあります。
これらの製品には、抗真菌薬や皮膚の炎症を抑える成分が含まれており、頭皮の症状を改善する効果があります。
日常生活での対策
適切なスキンケア
皮脂のバランスを整えるための穏やかな洗浄剤の使用が推奨されます。
ストレス管理
ストレスは症状を悪化させることがあるため、リラクゼーション技術を取り入れることが助けになります。
食生活の見直し
健康的な食生活が全体的な皮膚の健康を支えます。
ワンポイントアドバイス
脂漏性皮膚炎の直りが悪い時は?
一般的に脂漏性皮膚炎の治療は外用薬を使用します。カビ(マラセチア菌)が悪さをしていることが多いため抗真菌薬をステロイドと一緒に使用することが多いです。多くの場合には皮膚症状は徐々に改善していきます。
ただし、治りが悪い際にはほかの病気のことを考える必要があります。アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬・ほかのカビの病気の可能性もあります。
まとめ
脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の過剰な活動によって引き起こされる一般的な皮膚疾患です。適切な皮膚ケアや医師の指導の下での治療を行うことで、多くの場合、症状を管理し、快適な生活を送ることができます。しかし、重症な場合や治療が効果的でない場合は、専門家の指導を受けることが重要です。
浅川クリニック 内科・世田谷
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