花粉症 隠れた怖い病気とは?
- 貴介 浅川
- 3月28日
- 読了時間: 3分
花粉症は日本で非常に一般的なアレルギー性疾患で、毎年春になると多くの人が鼻水、くしゃみ、目のかゆみといった症状に悩まされます。しかし、花粉症の症状に似た症状が現れる病気の中には、放置すると重大な健康リスクを引き起こすものもあります。今回の浅川クリニックのブログでは、花粉症に隠れた怖い病気について解説します。

副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)
花粉症と似た症状として、鼻詰まりや鼻水が挙げられます。しかし、これが長期間続く場合は、副鼻腔炎の可能性があります。副鼻腔炎は、鼻腔周辺の副鼻腔に炎症が起こり、感染が原因で悪化することもあります。
主な症状
持続的な鼻づまり
黄色や緑色の粘度の高い鼻水
顔面の痛みや圧迫感
頭痛
治療せずに放置すると、炎症が広がり、視力障害や脳に影響を及ぼす可能性があります。内科で診断に至り初期治療を行うケースもありますが、専門的には耳鼻科の領域となります。
耳鼻科での治療
副鼻腔炎の治療には、症状に応じて抗菌薬や去痰剤の投与、鼻洗浄、鼻腔内ステロイドを使用することがあります。重症の場合は手術が検討されることもあります。
気管支喘息
花粉症は上気道のアレルギー反応ですが、場合によっては気管支にも影響を及ぼし、喘息を引き起こすことがあります。気管支喘息は、花粉症が悪化した場合に見過ごされがちな病気です。
主な症状
長引く咳
息切れ
胸の圧迫感
夜間や早朝に悪化する呼吸困難
適切な治療を受けないまま経過することで、徐々に気管支の構造が変化(リモデリング)してしまい、重度の呼吸困難に陥ることがあります。また、気管支喘息の治療には、花粉症とは異なる治療法が必要です。
主な治療法
吸入ステロイド薬
炎症を抑えることで症状を軽減します。
気管支拡張剤
気管支を広げて呼吸を楽にします。
抗アレルギー薬
アレルギー反応を抑えるために使用されます。
これらの治療を適切に組み合わせることで、喘息の症状を効果的に管理できます。
好酸球性食道炎
一部の花粉症の患者さんは、特定のアレルギー反応が食道に影響を及ぼし、好酸球性食道炎を引き起こすリスクがあるとされています。この病気は食べ物を飲み込む際の違和感や痛みを伴います。
難病指定されている比較的まれな疾患ですが、近年、食物アレルギーとの関連が注目されています。特に若年層やアトピー性皮膚炎を持つ人に多く見られます。日本では患者数が増加傾向にあり、30ー50代の男性に多いと言われています。人間ドックなどの胃カメラで見つかることもあります。
主な症状
食べ物が喉に引っかかる感覚
胸焼けや吐き気
慢性的な喉の違和感
治療法
胃酸を抑える内服薬(PPI)や局所ステロイド投与など
専門医療機関に紹介することになります。治療中断により再発率が高いことが知られています。

花粉症症状が長引く場合は医療機関へ
花粉症と似た症状だからといって自己判断で放置するのは危険です。もしも以下のような場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
市販薬を飲んでも症状が改善しない
熱が続く
鼻血や強い痛みがある
呼吸が苦しい
まとめ
花粉症は多くの方が悩む一般的な病気ですが、その陰には見過ごされがちな重大な疾患が潜んでいることがあります。放置せず、気になる症状がある場合は早めに適切な診断と治療を受けることで、健康リスクを回避しましょう。
浅川クリニック 内科・世田谷
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