逆流性食道炎になりやすい人の特徴と予防法
更新日:11月16日
皆さん、こんにちは。今日は逆流性食道炎についてお話ししたいと思います。逆流性食道炎は、食道の内側の粘膜が胃の酸や消化液によって炎症を起こす疾患です。多くの人が経験する一般的な問題ですが、症状が重くなると日常生活に支障をきたすこともあります。今回は、逆流性食道炎についてご紹介します。
逆流性食道炎になりやすい人の特徴
肥満
過体重や肥満の人は、腹圧が高まりやすく、胃酸が食道に逆流しやすくなります。
食生活の乱れ
脂っこい食事や刺激物の摂取、大量の飲酒など、食生活の乱れが逆流性食道炎のリスクを高めます。
喫煙
喫煙は、食道括約筋を緩め、胃酸の逆流を促進するため、逆流性食道炎の発症リスクが高まります。
妊娠
妊娠中の女性は、ホルモンの変化や胎児の圧迫によって、逆流性食道炎になりやすくなります。
胃腸の異常
食道裂孔ヘルニアなどの胃腸の異常がある場合、逆流性食道炎のリスクが高まります。
原因
逆流性食道炎の主な原因の1つは、胃酸が食道に逆流することです。この逆流は、次のような要因によって引き起こされることがあります。
食道括約筋の弱さ
食道と胃の間にある括約筋が弱くなると、胃酸が逆流しやすくなります。
過剰な胃酸分泌
胃酸の過剰な分泌は、逆流性食道炎のリスクを高める要因の1つです。
食道の異常構造
食道が狭くなっていたり、異常な形状をしている場合、逆流が起こりやすくなります。
症状
逆流性食道炎の症状は個人によって異なりますが、一般的な症状には次のものがあります。
胸焼け
胃酸が食道に逆流することで、胸のあたりが焼けるような痛みが生じます。
嚥下困難
食道の炎症が進行すると、嚥下(のみこみ)が困難になる場合があります。
喉の痛み
喉の痛みや違和感を感じることがあります。
咳や声のかすれ
逆流性食道炎によって気管や喉に影響を及ぼし、咳や声のかすれが生じることがあります。
逆流性食道炎の予防法
食生活の改善
脂っこい食事や刺激物の摂取を控え、食事を軽くすることで逆流性食道炎のリスクを軽減できます。
喫煙の禁止
喫煙は逆流性食道炎の発症リスクを高めるため、禁煙することが重要です。
適度な運動
適度な運動や体重管理を行うことで、肥満による逆流性食道炎のリスクを低減できます。
睡眠姿勢の工夫
寝る際に頭を高くして寝ることで、胃酸の逆流を防ぐことができます。
ストレスの管理
ストレスは胃酸分泌を増加させるため、ストレスを適切に管理することが大切です。
治療法
逆流性食道炎の治療法は、症状の重症度や個々の状況によって異なりますが、一般的な治療法には以下が含まれます。
薬物療法
胃酸を中和する薬や胃酸の分泌を抑制する薬が処方されることがあります。プロトンポンプ阻害剤の投与であれば、80%前後のひとで症状が消失すると報告されています。
食事改善
脂肪や刺激物を控え、食事を軽くすることで症状を軽減することができます。
生活習慣の改善
喫煙や過度のストレスを避けるなど、生活習慣の改善が重要です。
手術
重症の場合や薬物療法が効果的でない場合には、手術が必要な場合もあります。
ワンポイントアドバイス
逆流性食道炎とピロリ菌
逆流性食道炎の診断には胃カメラが有用です。健診などで胃の検査を受ける際、胃のバリウム検査では逆流性食道炎はわかりません。胃カメラ検査をする際には併せてピロリ菌の検査を受けることをお勧めします。ピロリ菌は胃炎だけではなく胃がんの原因にもなり、早期の除菌が大切です。
一部の方でピロリ菌除菌後に逆流性食道炎が悪化することがあります。ただしピロリ菌除菌後の逆流性食道炎は軽症かつ一過性のことが多く、逆流性食道炎を心配して除菌をためらう理由にはならないことがほとんどです。
まとめ
逆流性食道炎は、適切な治療を行えば管理が可能な疾患ですが、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。症状が続く場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。健康的な生活習慣や適切な治療を行うことで、快適な生活を送ることができます。
浅川クリニック 内科・世田谷
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