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長引く咳 マイコプラズマ感染症の理解と対策

更新日:11月16日

マイコプラズマ感染症は、特に小児や若年成人に多く見られる呼吸器感染症です。この病気はマイコプラズマ・ニューモニエという特定の細菌によって引き起こされ、特に学校や職場などの集団生活を送る人々に広がりやすい特徴があります。感染すると、咳、発熱、倦怠感などの症状が現れますが、その進行は比較的ゆっくりです。今回の浅川クリニックのブログでは、マイコプラズマ感染症の症状、診断方法、治療法、そして予防策について詳しく解説します。



マイコプラズマ感染症で咳をする男性

マイコプラズマ感染症の症状


マイコプラズマ感染症の症状は徐々に発展し、通常は以下のような特徴があります。


  • 持続する乾いた咳

  • 発熱

  • 喉の痛み

  • 全身の倦怠感

  • 筋肉痛

  • 頭痛


これらの症状は数週間続くことがあり、徐々に悪化することもあります。

一部では肺炎にまで発展します。重症となることもありますが、歩く肺炎とも言われていて、肺炎になっても日常生活を送れるケースも多々あります。




診断


マイコプラズマ感染症の診断は、従来症状の評価とともに、胸部X線、血液検査、および特有のPCR検査や抗体検査を通じて行われます。これらの検査は、他のタイプの肺炎と区別し、適切な治療法を決定するのに役立ちます。

最近では咽頭(のど)のぬぐい液を採取することで、15分ほどで結果がでる抗原検査キットが開発されました。浅川クリニックでもマイコプラズマ抗原迅速抗原検査キットを導入しています。




治療


マイコプラズマ感染症の治療には主に抗生物質が使用されます。特にマクロライド系、テトラサイクリン系の抗生物質が効果的です。ただし、最近ではマクロライド耐性(薬が効かない)が問題なっています。よく使われる抗生剤のうち、ペニシリン系・セフェム系の抗生物質は効きません。また、症状の緩和のために、解熱鎮痛薬や咳止め薬も処方されることがあります。



マイコプラズマ感染症の予防


予防


マイコプラズマ肺炎の特有のワクチンは現在存在しませんが、予防策としては以下の方法が推奨されます。接触感染・飛沫感染を防ぐことが大切になります。


  • 手洗いを徹底する

  • 咳エチケット(咳やくしゃみをする際には、ティッシュや袖で口と鼻を覆う)

  • 免疫力を高めるためにバランスの取れた食事と十分な休息をとる

  • 感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診する(医療機関で処方される抗生剤が症状の改善や重症化を抑える効果が期待できます。)




ワンポイントアドバイス

風邪とマイコプラズマ感染症の見分け方


風邪とマイコプラズマ感染症は似たような症状を引き起こすことがありますが、いくつかの違いに注意することで見分ける手助けになります。風邪と言われる疾患の多くはウイルス性疾患のため抗生物質が無効なのに対し、マイコプラズマ感染症では抗生物質がによる治療が必要になります。


症状の発現の仕方


風邪

症状は比較的急に始まります。

鼻水や鼻詰まり、喉の痛み、くしゃみなどの上気道症状が一般的です。

症状は通常軽く、数日から1週間程度で改善することが多いです。


マイコプラズマ感染症

症状の発現が徐々に進行します。

持続する乾いた咳、発熱、頭痛、全身の倦怠感が特徴的です。

症状は数週間続くことがあり、徐々に悪化する場合もあります。



症状の種類と持続性


風邪

短期間で多様な症状が現れるが、特に重篤な下気道の症状(胸の痛みや強い呼吸困難)は珍しいです。

熱は低めで、高熱が出ることは少ないです。


マイコプラズマ感染症

乾いた咳が持続し、徐々に悪化することが一般的です。

発熱は中程度から高めで、熱が長引くことがあります。

胸痛や呼吸困難を伴うことがあります。




まとめ


マイコプラズマ感染症は、適切な治療を行えば通常は回復が期待できる感染症です。初期の段階で適切な診断を受け、指示に従って治療を行うことが重要です。日々の予防策を心掛け、健康的な生活習慣を維持することが、マイコプラズマ感染症を含む多くの呼吸器感染症から身を守る鍵となります。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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