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長引く咳についての理解と対処法

更新日:11月16日

こんにちは、浅川クリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。今日は多くの人が経験する「長引く咳」についてお話ししたいと思います。発症から3週間以内の咳を「急性咳そう」、3~8週間の咳を「遷延性咳そう」、それ以上の咳を「慢性咳そう」とそれぞれ呼びます咳が長期間続く場合、その原因や対処法を知ることで、効果的に対応することが大切です。



長引く咳の男性


長引く咳の原因


慢性気管支炎

気管支の炎症が原因で長期間咳が続く状態です。特に喫煙者に多く見られ、気管支の内側が常に炎症を起こしているため、咳が慢性的に続くことがあります​。


気管支喘息

気道が過敏になり、特定の刺激(アレルゲン、運動、冷たい空気など)によって気道が狭くなり、呼吸困難や咳が引き起こされる状態です。喘息の咳は特に夜間や早朝に悪化することが多いです​​。


後鼻漏症候群

副鼻腔や鼻からの分泌物が喉に流れ込むことで、咳が引き起こされる状態です。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因であることが多く、痰がからむような咳が特徴です​​。


胃食道逆流症 (GERD)

胃酸が食道に逆流することで咳が引き起こされる状態です。特に横になると症状が悪化しやすく、夜間に咳が増えることが一般的です​。


感染症

ウイルス感染(風邪やインフルエンザなど)や細菌感染(結核、マイコプラズマなど)は、長引く咳の原因となることがあります。感染が治っても気道の過敏性が残るため、咳が続くことがあります​​。


薬の副作用

特に高血圧治療に使用されるACE阻害薬は咳を引き起こすことが知られています。この咳は薬を中止することで改善されます​。


肺の疾患

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) や肺線維症、肺がんなどの肺の疾患も長引く咳の原因となります。これらの疾患は、特に喫煙歴がある人に多く見られます​。


心臓の問題

心不全などの心臓の問題が原因で、肺に液体がたまり、咳が引き起こされることがあります。特に夜間に悪化することが多いです​。




長引く咳の診断


長引く咳の原因を特定するためには、医師による診断が必要です。以下のような検査や質問が行われることが一般的です。


問診

咳の期間、咳の性質(乾性咳嗽か湿性咳嗽か)、咳を引き起こす要因(運動、食事、体位など)についての詳細な質問。


診察

胸部の聴診、喉や鼻の検査など。


画像検査

胸部X線やCTスキャン。


呼吸機能検査

肺活量や気道の狭さを測定するためのスパイロメトリー検査。


血液検査

感染症やアレルギーの有無を確認するため。


喀痰検査

細菌感染や結核を検出するため。




長引く咳の対処法


咳が続く場合は、医療提供者に相談し、根本的な原因を特定して適切な治療を受けることが重要です。その上で下記の生活習慣の改善と適切な環境管理も考慮してみてください。


禁煙

喫煙は咳の最も一般的な原因の一つです。タバコの煙は気道を刺激し、慢性的な咳の原因となります。


手洗いの励行

風邪やインフルエンザなどの感染症は咳の一般的な原因です。頻繁に手を洗うことで、これらの病原体の拡散を防ぎます。


空気質の管理

家の中の空気を清潔に保ち、アレルギー反応や呼吸器症状を引き起こすほこりやカビの蓄積を避けましょう。エアフィルターや加湿器の使用が効果的です。


十分な水分補給

十分な水分を摂取することで、気道が乾燥するのを防ぎ、粘液が適切に排出されるようにします。


健康的な食事

ビタミンCやE、亜鉛など、免疫機能をサポートする栄養素を含むバランスの取れた食事を心がけてください。


定期的な運動

定期的な運動は全体的な免疫力を向上させ、呼吸器系の健康を促進します。


アレルゲンへの対策

アレルギーが咳の原因である場合、ペットの毛やダニ、花粉などのアレルゲンを減らすための措置を講じましょう。



危険な咳


ワンポイントアドバイス

早めに受診が必要 危険な咳


長引く咳は、早急に医療機関を受診するべきサインです。その他にもこれらの症状が現れた場合、深刻な健康問題の可能性がありますので、速やかに専門の診断を受けることが推奨されます。


血痰が出る咳

咳に血が混じる場合は、肺や気道に問題がある可能性があります。肺炎、肺結核、肺癌などが原因である場合があります。


持続する咳

3週間以上続く咳は、慢性気管支炎、喘息、逆流性食道炎(GERD)、あるいはそれ以上に深刻な状態を示している可能性があります。


呼吸困難を伴う咳

咳をしながら息が苦しい、ゼーゼーとする、または呼吸が困難になる場合、これは喘息発作、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、心不全などの緊急を要する状態の兆候です。


夜間に悪化する咳

夜間や就寝時に咳がひどくなる場合、心不全や喘息が悪化している可能性があります。


歩行や階段を少し上るだけで息切れがする

肺の重篤な病気のほか心不全など心血管系の以上の可能性も考えられます。


発熱や体重減少を伴う咳

発熱や体重減少を伴う場合は、結核や癌など深刻な病気のサインであることが多いです。




まとめ


長引く咳は様々な健康問題のサインである可能性があります。症状が長く続く場合は、自己判断せずに医療機関で適切な診断を受けることが重要です。浅川クリニックでは、詳細な検査を通じて、原因に応じた適切な治療を提供しています。

咳や健康に関するご質問やご相談は、お気軽に当クリニックまでお問い合わせください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8



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