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高血圧を放置した場合のリスクとその影響

高血圧は、血圧が持続的に高い状態を指し、日本では成人の約30%がこの症状に該当するとされています。高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれ、自覚症状が少ないため、放置されがちです。しかし、高血圧をそのままにしておくと、さまざまな重大な健康問題を引き起こすリスクが高まります。今回の浅川クリニックのブログでは、高血圧を放置することの危険性について詳しく解説します。



高血圧を放置した男性


心臓への影響


心筋梗塞

高血圧が長期間続くと、血管が硬く狭くなり、心臓に負担がかかります。これにより、心筋梗塞のリスクが高まります。心筋に十分な酸素が供給されなくなると、心筋細胞がダメージを受けるため、心臓発作を引き起こす可能性があります。


心不全

高血圧は心臓に負担をかけ、心臓が十分に血液を送り出すことが難しくなることがあります。これが進行すると、心不全のリスクが増加します。心不全は、疲労感や息切れなどの症状を引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。




脳への影響


脳卒中

高血圧は脳の血管を損傷するリスクを高め、脳卒中(脳梗塞や脳出血)の大きな原因となります。血管が詰まるか、破れることで、脳に酸素が供給されなくなり、言語障害、麻痺、認知機能の低下などの重篤な症状が引き起こされる可能性があります。


認知症のリスク増加

長期的な高血圧は、脳の微小血管にダメージを与えることで、認知症のリスクを増加させると考えられています。特に、血管性認知症と呼ばれるタイプの認知症のリスクが高まることが知られています。




腎臓への影響


腎機能低下と腎不全

高血圧は腎臓の血管を損傷する可能性があり、腎機能を低下させる要因となります。最終的には腎不全に至ることもあり、透析治療が必要になる場合もあります。




目への影響


網膜症

高血圧が原因で、目の網膜にある細い血管がダメージを受けると、視力の低下や視野欠損が生じることがあります。特に、高血圧性網膜症と呼ばれる病態が進行すると、失明のリスクが増加します。




高血圧の特徴

自覚症状がないまま進行することが多い


高血圧の怖さは、症状がほとんど現れないまま、病気が進行してしまうことにあります。以下のような軽度の症状を感じることがあるものの、それが高血圧に関連していると認識されにくいことがあります。


頭痛

頭痛は多くの原因で発生するため、高血圧に関連する頭痛は特に気づかれにくいです。特に後頭部の痛みが感じられる場合がありますが、他の症状がないと高血圧とは関連づけにくいです。


めまい

血圧が急激に変動すると、めまいやふらつきが生じることがあります。しかし、これも日常のストレスや疲労によるものと誤解されることが多いです。


動悸や息切れ

高血圧が進行すると心臓に負担がかかり、動悸や息切れが発生することがあります。軽度の場合、運動不足や単なる疲労と見なされがちです。


耳鳴り

血圧が高い状態が続くと、一部の人は耳鳴りを感じることがあります。しかし、これも他の耳の疾患と混同されることが多いです。



血圧を測る男性


高血圧を放置しないための対策


定期的な血圧測定

自覚症状がないことが多いため、定期的に血圧を測定することで、早期に異常を発見することが重要です。家庭用の血圧計を活用し、記録をつけると良いでしょう。また、1年に1回確実に健康診断を受診することで自身の体内の変化をとらえることが大切です。


バランスの取れた食事

塩分を控え、野菜や果物を多く摂る食生活を心掛けましょう。また、適度なカリウムの摂取も血圧管理に役立ちます。


運動の習慣化

定期的な有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を行うことで、血圧をコントロールする効果があります。


ストレス管理

長期的なストレスは血圧を上昇させる要因となります。リラックスする時間を確保し、ストレスを適切に管理することが重要です。




まとめ


高血圧を放置することは、心臓、脳、腎臓、目など、多くの臓器に深刻な影響を与える可能性があります。定期的な健康チェックと生活習慣の見直しを通じて、リスクを減少させることが重要です。症状が軽度であっても、医師の診察を受け、早期の対策を行うことが健康維持に繋がります。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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